相馬監督の冷静な自己分析力
枝葉を増やし、幹も太くなっていく鹿島。連勝でも相馬監督に慢心なし。「本当に今がまた大事」と一意専心
「でも細部も。勝敗は最後、細部で決まることも多い」
4月14日にザーゴ前監督の解任が決まり、同日に相馬直樹新監督の就任が発表される。3日後にはJ1リーグ第10節の徳島ヴォルティス戦が迫っていた。さらに中2日でルヴァンカップのグループステージ第3節の北海道コンサドーレ札幌戦が予定されている。
結果的に、鹿島アントラーズはこの2連戦で連勝を飾ってみせた。徳島戦は1-0、札幌戦は3-0と、いずれも完封勝利。上々のリスタートを切った。
慌ただしい日々のなかで準備してきたなかで、しっかりとチームを勝利に導いてみせた。見事な手腕を発揮した相馬監督にも少なからず余裕のようなものも生まれてきたかと思えば、「正直、余裕なんてないですね」と明かす。
「最初はみんながエネルギーを持って、危機感を含めて、この状況をなんとかしなければ、というものがあったうえでの今回の連勝だと思っています」
連勝はひとつの成果として受け止めている。ただ、当然ながら満足などしていないし、むしろこの状況を続けることが重要で、そしてそれが「簡単なことではない」ことを十分に理解したうえで、チーム作りを進めている。
「“枝葉”も必要となってくるんですけど、それにとらわれてしまうと軸の部分がブレてしまう。その軸が薄くならないようにというか、そこをしっかりと植え付けながら、でも細部も。勝敗は最後、細部で決まることも多いので、そこのところも埋めていきながら、自分たちの軸が、幹が太くなっていくようなことをしなければいけない」
その意味で、鹿島が本来の姿――常勝軍団として勝ち続ける――を取り戻すためにも、相馬監督は「本当に今がまた大事」と気合いを入れ直す。「目の前のゲームに向けて、まず戦える準備をする」ことに専心する。
次節は24日、ホームにヴィッセル神戸を迎える。「我慢比べのゲームになるかな、と思っています」。現役時代は日本代表でもチームメイトとしてともに戦った三浦淳寛が指揮を執る神戸について「アツになって、勝負へのこだわりを持ちながらやっていて、それが成績にリンクしている部分がある」とその印象を語る。
勝負のポイントは「隙を突かなければいけないし、隙を作ってはいけない戦いになる」。持ち前の試合巧者ぶりを発揮して“3連勝”を果たしたい。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)
サッカーダイジェストwebより
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=90003
公式戦2連勝しても慢心が無い相馬監督。
さすが鹿島イズムです。
そして
「最初はみんながエネルギーを持って、危機感を含めて、この状況をなんとかしなければ、というものがあったうえでの今回の連勝だと思っています」
というコメントも冷静に分析していますよね。
監督交代の劇薬で一時的に勢いが出るというケースは他チームでもありました。
鹿島でもセレーゾ解任の後は勢いを取り戻したし
石井さんを解任した直後の広島戦では快勝しました。
なので、本当に油断や慢心は禁物です。
とはいえ、
幹を太くすることを重要視している発言は頼もしいです。
戦術という枝葉にばかり目が行き、幹を太くすることを忘れては
簡単に風で揺れまくってしまう木みたいに
ちょっとしたことが原因で勝利を逃してしまいます。
それがまさにザーゴサッカーでした。
ちゃんと見るべきことが見えている発言だなって思いました。
神戸戦は我慢比べになるという見解ですが、
なんとしても相手の隙を突いてゴールを奪って勝利に結び付けたいところです。
チームを作りながら過密日程をこなさなくてはならないという局面で監督を引き受けてくれた相馬監督のためにも
絶対に勝ってほしいです。